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BRITANNIA LOSS PREVENTION 第7号 // 2024年1月 クレーン事故 クレーンは船内荷役に欠かせない設備です。 貨物 の効率的な積み揚げに役立ち、 さまざまな海上作業に対応します。 重量物の吊り上げにもクレーンは欠かせません。 そのため、作業者の安全を確保し、大事な貨物を守るために点検と整備、 証明書の取得が非常に重要になります。 同社のコンサルタントを 支えているのが、 大規模な研究・試験設備と 経験豊富な技術者です。 事故やインシデント、損失、 構造破損の根本原因の 分析、診断に役立っていま す。コンサルタントはこれま で英国内外において、 裁判や仲裁での証言も 数多く行っています。 The Minton, Treharne & Davies Group 本号のパートナー MTDは、海運業界の多方面に総合的なコンサルティング・調査サービスを提供しています。 所属コンサルタントは石油、ガス、化学品、ドライバルク貨物、鉱物・鉱石、穀物・食糧、梱包品、 火災・爆発、汚染、材料・構造破損、損失、悪用に関する専門家で、同社による調査は全て科学的に 行われています。 ロスプリベンションやリスク管理に関する助言もしており、問題解決に重点を置いた調査と状態評価 を行っています。 点検 と整備 本船クレーンは、その運転方法に関する 推奨事項や点検に関するガイダンスが 記載されたメーカー作成のマニュアルを 備えていなければなりません。 また、このマニュアルをもとに、メーカーの推奨事項を含めた 計画的な整備体制を整えることが必要です。さらに、その計画的な 整備体制を本船の安全管理システムの手順に組み込まなければ なりません。各クレーンに必要な整備、点検、試験は全て適切な 間隔で実施してください。実施間隔を決める要素には 次のようなものがあります。 表面の粗い貨物の荷揚げ (オープンベアリングに追加の塗油が必要にな る可能性あり) クレーンの稼働時間、または一定間隔 (月次 点検など)。稼働時間に基づいて整備を行う 重要性を知っておいてください。この整備方針 には、特定の部品について実際の使用頻度と 想定寿命を比較することで故障の可能性を 予測できるという、非常に大きな利点がある ことが分かっています。ダウンタイムを避け、 故障リスクを軽減するために、予防策を迅速に 講じてください。 整備では、ワイヤロープへの塗油が不可欠です。これには、ロープ 内側と外側の潤滑をよくすることと、腐食を防止することの2つの 目的があります。このとき大事なのはグリスを使わないことです。 ワイヤに張力がかかるときやワイヤが滑車を通過するときは、 ストランドが互いに接触します。そのため、潤滑油を使えば 心綱まで油を確実に浸透させることができますが、グリスだと ワイヤの表面にとどまりやすく、流れてしまったり、貨物の粉塵と 混ざってしまったりする可能性があり、ワイヤ表面に厚い層ができ てしまうのです。 ワイヤロープを目視で点検する際に注意しなければならないのは、 確認できるのが外側のワイヤの見やすい部分だけだという点です。 この部分というのはワイヤロープの総断面積の約40%です。しかも、 長さについても全体の半分ほどしか確認できません。つまり、目視 で点検できるのはワイヤロープ全体の約20%にすぎないのです。 確認できる20%の部分には損傷が一見なさそうでも、それ以外の 見えない部分で断線しているということは残念ながらよくあります。 内側のワイヤが断線していても外からそうした兆候が見えない ワイヤロープというのは、非常に危険です。 クレーン事故 // BRITANNIA INSIGHT2 ワイヤを交換する船員 クレーンの油圧システムをスムーズかつ効率的に動かすには、 質の高い作動油を使わなくてはなりません。そのため船主は、 作動油の状態をチェックして異物混入や品質劣化などの問題が 潜んでいないか見つけ出すために、予防的なオイル分析 プログラムを確立するようにしてください。オイルのサンプル採取と 試験を定期的に行うほか、濾過やオイル交換をすることで、 クレーンの油圧システムを最適な状態に保つことができます。 気温の高い環境でクレーンを動かす場合などは、 ヰイルクーラーの定期的な点検、清掃も欠かせません。粉塵の出 やすい貨物や腐食性の貨物の積み揚げをよく行う場合は、清掃頻 度を上げる必要があるでしょう。オイルクーラーの清掃を怠ると、 作動油の温度が上がりすぎてクレーンが停止してしまうおそれが あります。度々止まる事態になれば荷役にも影響が出かねませ ん。また、作動油の漏れにも迅速に対処することが肝要です。 油漏れを放置しておくと、安全上問題があるだけでなく、ステベドア からクレーンの使用を全面的に拒否されてしまうおそれがありま す。このことから、オイルクーラーの整備と作動油漏れには迅速に 対処することが極めて重要です。 荷重計やリミットスイッチなどクレーンの安全装置は、事故を防ぎ、 クレーンを安全に動かすために欠かせません。そのため、荷役の 前にはこうした安全装置の点検と試験を行い、きちんと作動するか 確認するようにしてください。不具合が見つかった場合の速やかな 対処手順も決めておきましょう。 次ページへ続く 船上ガントリークレーンを使う前には、担当の船員が貨物の運搬 に関連する安全装置の試験のほか、トロリーの減速・停止用の リミットスイッチや、クレーンが移動する際のアラーム(光と音の 両方)、緊急停止装置、障害物停止装置の試験を行ってください。 クレーンの俯仰・旋回装置には通常、ジブを下限まで下ろすため のバイパススイッチ(鍵を差し込んで作動させる)が付いており、 ジブを格納する際に使われます。この鍵をクレーンの運転室に 放置するようなことは絶対にしないでください。スイッチが誤って 作動しないように防止策を講じましょう。(一部の港では慣習化して いるようですが)ステベドアからオーバーライドキーを渡してほしい と言われても、断ってください。ジブを下限以下まで下ろすのは、 格納するときのみに限定してください。フックに積荷が掛かってい る状態でジブを下限以下まで下げると、ジブやラッフィングワイヤ がドラムから外れて故障するおそれがあります。 証明書の取得 ワイヤロープは、 使用中のものも予備のものも含め、 全てについて試験証明書を 船内に保持しておく必要があります。 証明書は揚貨装置検査記録簿(Register of Lifting Appliances)と 共に保管しておくことが求められ、製造日、材料の強度、ロープの 構造、試験片の破断荷重試験結果を記載しておかなければなりま せん。揚貨装置検査記録簿は国際労働機関(ILO)条約で保持が 定められています。これは、船舶が揚貨設備を備えていることを 資格者が保証することを目的としたもので、当局の人間による 定期的な評価を受けます。毎年の総合検査のほかに、吊り上げ 荷重試験と詳細検査を5年ごとに受けなければなりません。 揚貨装置やその部品に溶接などを行って延伸、改造、修繕をした 場合は、巻上げ・巻下げ作業に用いる前に荷重試験と検査を 改めて受け、証明書を新たに取得する必要があります。 検査では、ワイヤロープの全長にわたり、ワイヤや末端装具の 損壊や腐食がないか、ワイヤの可視断線数がロープ径の8倍の 範囲内にあるワイヤ総数の10%を超えていないか細かくチェック されます。揚貨装置検査記録簿は、ILOが定める推奨書式に沿う 形で関係当局が指定した書式があるため、そちらに従って記入し てください。記録簿とそれに従って発行された証明書は、当局の 担当者がいつでも見られるようにしておかなければなりません。 また、最後に記録・登録された日から最低5年間は船内で保持して おくことが求められます。 クレーン事故 // BRITANNIA INSIGHT3 事故や装置の故障を防ぐためには、運航者がクレーンの構造的な 完全性を保たなければなりません。定期的な目視点検や構造評価 を行い、腐食や疲労など構造的な欠陥が見られないか確認してく ださい。問題が見つかった場合は、部品を適切に修理・交換する など速やかに対処することが求められます。また、点検は滑車や ベアリングをはじ
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pi_circular Britannia P&I ·2024-01-18

Britannia Loss Prevention Insight - Crane Incidents - Japanese

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