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BRITANNIA LOSS PREVENTION 第9号 // 2024年4月 代替燃料 - メタノール 海運業界はかつてない難題に直面する中、 脱 炭素化とゼロエミッションの達成に向けて奮闘しています。 海運の脱炭素化は、地球環境を守るための急務であると同時に、 業界で代替燃料にシフトする動きが見られるように、新たなイノベーション分野にも なりつつあります。 本号のパートナー Waves Groupは、海事・オフショアエネルギー業界向けにサービスを提供する世界有数の独立系 コンサルティング会社です。必要不可欠な助言や分析、データを提供することでお客さまを支援し、 業務の結果への自信と確信を高めています。 あらかじめ計画されていたプロジェクトも、突発的な出来事も、全世界をカバーする対応チームが 年中無休でサポートします。長年の実務経験を通して積み重ねてきた確固たる実績を基に、詳細な 技術分析やデータに裏付けされた実用的なアドバイスを提供することで、不確定要素を減らし、問題 をスムーズに解決します。 船長、機関士、造船技師、海上土木技師などの専門家からなるチームが、火災、海難救助、 オフショアエネルギー、クレーン、代替燃料、海事データの収集・分析などの分野で専門知識を提供 します。海難事故、紛争、港湾運営、オフショアエネルギーインフラの建設・解体をはじめとする各種 プロジェクトに関して、開始から終了、そしてさらにその先までお客さまをサポートします。 ロンドン、サウサンプトン、シンガポール、ヒューストン、ロッテルダムに事業所を構えており、 世界中のプロジェクトに迅速かつ効率的に対応します。 脱炭素化に移行するための新たな燃料 として現在最も普及しているのは、液化 天然ガス(LNG)ですが、メタノール や 水素などもゼロエミッション燃料候補とし て台頭しつつあります。将来的にどの 燃料が本命になるかはまだ不透明で、 この先の需要増に応えるためにさまざま な代替燃料が必要になる可能性もあり ます。 代替燃料を選ぶにあたっては、意思決定プロセスの一環とし て、リスクの確認・評価を入念に行うなどデューデリジェンス を実行する必要があります。また、リスク評価の際は、 エンジンメーカーや燃料サプライヤー、船級協会、船体保険 者、本船の旗国当局など、幅広い関係者に相談することが 求められます。 主な検討事項: 1.エンジンへの適合性と影響 エンジンメーカーに相談し、導入を検討している 代替燃料が本船のエンジンに適合できるか、 エンジンの改造が必要になるかを確認してください。 2.燃料の管理 代替燃料の取り扱いには化石燃料とは異なる作業 上の危険が伴うおそれがあるため、船員に訓練を きちんと受けさせることが不可欠です。 3.健康・安全・環境(HSE) 代替燃料は環境的には大きなメリットがあるかもし れませんが、代わりに安全上のリスクを高めるお それがあります。そのため、導入の際にはHSE リスクの入念な評価も併せて実施し、燃料取扱時 はこれを船内における安全対策の基盤としてくださ い。 4.品質 代替燃料について今はまだ国際規格が定まって いないため、適切な燃料を供給してもらえるよう、 明確かつ詳細なスペックを船主が定める必要が あります。 ブリタニヤのロスプリベンション部門はWaves Groupと合同 で、バイオ燃料や液化天然ガス、メタノール、アンモニア、 水素などの主な代替燃料の導入に関するアドバイスを提供 しています。各代替燃料の導入を検討する際に重視すべき 点は、保管、取り扱い、給油、安全性、緊急時対応の適切 な方法です。 本ガイダンスではメタノールについて取り上げます。 メタノール燃料はこれまでも長年、ケミカルタンカーで安全 に輸送されてきましたが、海運業界の脱炭素化が求められ る中で、入手しやすくGHG排出量も少ない燃料として注目 を集めるようになりました。メタノールを燃料とする商船も 既に運航を開始しています。燃料としてのメタノールには、 「ガスまたは低引火点燃料を使用する船舶の安全に関する 国際コード」(IGFコード)と、給油、保管、船内取り扱いに関 する具体的な方法を記載した MSC.1/Circ.1621が法律上 の要件として適用されます。 メタノール // BRITANNIA INSIGHT2 給油 本船の固定タンクに給油(バンカリング)する 場 合、メタノールは大気温度下で液状である ため、従来燃料のバンカリングと同様の手順 で行ってください。 ただし、IGFコードが適用されるため、 以下の点について考慮しなければなりません。 1.バンカリング作業ごとに個別に計画を立て、バンカー サ プライヤーと密に連携する。計画には以下を含める。 a)合同リスク評価の実施 b)適合性評価の実施 c)作業の合同計画の策定 d)同時作業(SIMOPs)に関する個別の計画立案と リスク評価 e)連絡方法の確認 2.本船に緊急停止装置(ESD)を設置し、バンカリング作業 中は供給元のESDと接続する。 3.バンカリングホースを接続したら、メタノールを流す前に ESDをテストする。 4.異物が混入しないよう、供給元にフィルター/ストレー ナーを取り付ける。 5.バンカリングを始める前にバンカーホースと燃料管を窒 素で清浄し、メタノールの濃度が爆発下限界(LEL)を下 回るようにする。 6.メタノールを流す前に窒素を使ってマニホールドの 接続部の圧力テストを行い、漏洩がないか確認する。 7.最大移送速度をサプライヤーと取り決めておく。 8.タンクの圧力逃がし弁の容量を踏まえたうえで、 燃料タンクの液位と圧力を常時監視する。 9.バンカリングが終了したら、バンカーホースを外す前に ホースと燃料管の中身を排出して清浄する。 10.連結部が切り離されないよう、バンカリング作業中は本 船の係船索の状態を常に監視する。 11.本船と供給元が動いて連結部が切り離された場合に備 えて、メタノールの移送を停止してバンカーホースを安全 に切り離せるよう、ドライブレイクアウェイカップリング または自己密封機構を有する急速切り離し機能を備えた カップリングを使用する。 12.マニホールド付近で使用する携帯通信機器については 承認基準を遵守する。 保管 メタノールは、大気温度・大気圧下では常に 液状であるため、LNGやアンモニア、水素などの 低温の代替燃料と比べて保管しやすいのが特徴 です。 沸点は65°Cで、燃料タンクでの保管中の蒸気圧制御を気に する必要はほとんどありません。ただ、引火点が低いため、 燃料タンクは通常の使用状態において不活性雰囲気を 保つことが不可欠です。 また、安全・清浄装置でイナートガスを使用するため、必要 な容量を達成できるよう、窒素生成・貯蔵装置の設置を検討 したほうがよいでしょう。 装置を設置しない場合は、想定される最大燃料消費量と 航海期間を考慮したうえで、港から次の港までの少なくとも 1航海分のイナートガスを用意しておかなければなりませ ん。また、港湾内で停泊中の最小燃料消費量で燃料タンク を最低2週間のあいだ不活性状態に保てるだけのイナート ガスも用意しておく必要があります。 一体型燃料タンクについては、保護のためコファダムを設置 する必要があります。ただし、最も低くなりうる水線より低い 外板、メタノールを貯蔵するその他の燃料タンク、燃料調整 室で境界が形成されている面については設置は不要です。 独立型燃料タンクは、開放甲板または燃料貯蔵ホールド スペース内に設置することが認められています。開放甲板 にタンクがある場合は、燃料漏れを防ぐためにドリップトレイ の設置が必要となるほか、緊急冷却用に水噴霧装置も設置 する必要があります。独立型燃料タンクは、外から掛かりう る力に耐えられるよう、船体構造物にしっかりと固定してお かなければなりません。 可搬型タンクの使用も認められています。ただし、その場合 は、独立型燃料タンクの設置要件を満たすと共に、本船の 制御・監視装置に組み込むための基準を別途取り入れるよ うにしてください。また、本船の燃料配管との接続について は、フレキシブルホースを使用するなど、承認されている 方法を用いるようにしてください。 各燃料タンクには圧力逃がし弁
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pi_circular Britannia P&I ·2024-04-26

Loss Prevention Insight - Alternative Fuels - Methanol

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